QC検定2級・3級の合格を目指すなら、正規分布の問題を制することが成功のカギです!
計算問題に不安を感じている方も安心してください。この記事では、正規分布の基礎をしっかりと解説し、実践に役立つ練習問題を多数ご用意しました。今すぐこの記事を活用して、確実に得点力をアップさせ、合格を勝ち取りましょう!
正規分布の問題で躓きやすい問題は以下の記事で解説しています。
正規分布の特徴

QC検定2級・3級で出題される正規分布の特徴を簡潔にまとめます。
- 正規分布は左右対称の釣り鐘型をしています。
- この形状は、分散
( ) によって決まり、分布がどの程度広がるかを示します。 - 常に一つの山(ピーク)を持ち、分散や平均が変わっても山が二つになることはありません。
- 平均が0、分散が1の正規分布を
と表し、これを標準正規分布と呼びます。 - 標準正規分布は、計算問題で頻繁に使用される基礎的な概念です。
正規分布の式は
この数式はQC検定3級ではほとんど試験に出題されませんが、2級では理解が必要です。試験で重要なのは、この式自体ではなく、後で紹介する「変数変換」の計算方法です。
標準偏差 の範囲と確率の関係
よく問われるのは、
(
ではこの情報をどうやって使うのかを練習問題で確認していきましょう。
の範囲練習問題
解答
規格内に収まっている製品の個数を求めて、全部の個数10000個から引く。

工程では目標値に対して3シグマの範囲で管理するとか言います。この場合は10000個製品を作っても不適合品が30個以内になるように管理するという意味です。
変数変換を用いた正規分布の計算問題
常に求めたいのが定数×標準偏差
試験問題に添付されているのは
問1解答
3級で出る問題はパターンが決まっているので2ステップで解くことができます。問2問3も同じ流れでとけます。
ステップ1 変換の式

板の長さ寸法を
ステップ2 標準正規分布表の読み取り
ステップ1の変数変換で100mm以下は標準正規分布上では-0.5以下と変換されました。
ここで標準正規分布から

正規分布表にはマイナスの値は載っていませんが左右対称なので-をとって0.50の値を読みとればよいです。
問2解答
問2では目標とする平均が大きくなり規格値までの余裕が大きくなります。100mmを切る確率は小さくなりそうだと予想できますね。
ステップ1 変換の式

ステップ2 標準正規分布表の読み取り
ステップ1の変数変換で100mm以下は標準正規分布上では-1.0以下と変換されました。
ここで標準正規分布から

問3解答
問3では装置の加工精度が上がりました。正規分布の幅が狭まりシャープになるので製品が規格外になる確率は問1よりも小さくなると予想されます。
ステップ1 変換の式

ステップ2 標準正規分布表の読み取り
問2と同じ作業を行います。

人の手によらない作業、NC旋盤など工作機械で仕上げた寸法は正規分布に従うといわれています。逆に人の手による作業は一様分布などを仮定することがあります。
まとめ
QC検定2級、3級で頻出の正規分布の問題を取り上げました。
正規分布の計算問題は大まかに3パターンに分けられます。
- 正規分布そのものの特徴
- 標準偏差範囲が占める割合
- ある特性値について規格値以上または以下である確率
一番最後のパターンについては平均を動かして計算するものと標準偏差を狭めて再計算するものと組み合わされることが多いですが、変数変換さえできれば、あとは表の読み取りの問題です。
QC検定2級の計算問題や攻略法についても記事を書いています。
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