宇宙ビジネスを取り巻く環境が、ここ数年で大きく変わってきています。
なぜ今、衛星が注目されるのか
きっかけの一つはSpaceXです。再使用ロケットFalcon 9による高頻度の打ち上げが当たり前になり、世界の打ち上げ回数は過去最高の水準が続いています。大量の衛星を軌道に上げることが前提になったことで、打ち上げは国家の特別なイベントから、インフラを築くための事業へと変わりました。
社会情勢も衛星の見方を変えました。ウクライナでは、地上の通信設備が攻撃を受ける中で、衛星インターネットのStarlinkが政府や軍、民間の通信を支えました。衛星画像による部隊の動きや被害状況の把握も日常的に行われています。イランでも、政府によるインターネット遮断の中で、衛星通信が外とつながる手段として注目されました。衛星は「夢のある技術」ではなく、通信と安全保障を支えるインフラとして再評価されていると言えます。
こうした流れの中で、個人的に注目している宇宙企業が3社あります。打ち上げ、通信、観測という領域ごとに1社ずつです。
Rocket Lab|増える打ち上げ需要を受ける側
Rocket Labは、小型ロケットElectronで実績を重ねてきた打ち上げ企業です。ロケットだけでなく、衛星向けの部品やシステムも手がけており、宇宙側の事業も持っています。
次の焦点は、開発中の中型ロケットNeutronです。打ち上げられる衛星が大型化する中で、より大きな荷物を運べるようになれば、受けられるミッションの幅が広がります。注目するポイントは、Neutronの開発進捗と打ち上げ頻度の維持です。
AST SpaceMobile|衛星インターネットをスマホへ
AST SpaceMobileは、普通のスマートフォンと衛星が直接つながる通信サービスの実現を目指す企業です。専用端末ではなく、手元のスマホがそのまま衛星につながる点が特徴です。
実現すれば、山間部や海上といった圏外の解消だけでなく、災害時や通信障害時にも連絡手段を確保できる可能性があります。現在はBlueBird衛星の展開を進めている段階で、注目するポイントは展開のペースと、各国での承認やサービス開始の動きです。
Planet Labs|監視・観測の需要を受ける側
Planet Labsは、多数の小型衛星で地球の陸域をほぼ毎日撮影し、その画像データを企業や政府に提供する企業です。農業や環境モニタリングに加え、災害や紛争地域の状況把握にも使われています。
ウクライナでも衛星画像が状況把握に活用され、観測データの重要性が改めて示されました。注目するポイントは、政府・防衛分野を含む契約の広がりと、データ活用の拡大です。
まとめ
打ち上げのRocket Lab、通信のAST SpaceMobile、観測のPlanet Labs。この3社を見ていれば、宇宙ビジネスの主要な動きを大まかに追うことができます。
短期の値動きよりも、打ち上げ、開発、契約といった事業そのものの進捗を追っていく予定です。次回からは、1社ずつもう少し掘り下げていきます。

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